文化財活用 江戸後期の建物を会場にして「廣瀬資料館セミナ-」が開催されました!!
来る10月4日(土)に、令和7年度の「廣瀬資料館セミナ-」が、廣瀬家本宅主屋の「中座敷・奥座敷」を使用し開催されました。セミナ-の開催は5回目ですが、主屋を会場にしたのは昨年に続き2回目です。特に今年度から、文化財の活用を意識し、「咸宜園入門体験活動」「板木叩き体験」「両替体験活動」「廣瀬家家訓と写真撮影体験」の4つの体験コ-ナ-を館内に設置しました。今回の「中座敷・奥座敷」を使ってのセミナ-は、これらの延長として位置づけ行いました。前半は、国文学研究資料館の渡部泰明館長さんから、「百人一首のテ-マ」でお話をしていただきました。廣瀬家第4代当主「平八」(号を「月化」)は、この奥座敷で大好きな歌を何首も読んだことでしょう。その部屋で、和歌のお話を聞けました。後半は、日田市の文化財保護員の竹尾浩享さんの、廣瀬資料館蔵の「五馬紀行」のお話でした。この紀行文は、月化の作で、若き頃の淡窓も同行していました。まさに、この場所で寝起きをし、日々過ごした月化、淡窓の息遣いが、聞こえてきそうな場所でのひと時でした。以下、セミナ-での一コマをご紹介します。
令和7年度の「廣瀬資料館セミナ-」の実施要項の紹介

主催者を代表して、国文学研究資料館の「渡部泰明」館長さんと、廣瀬家第12代当主の「廣瀬和貞(廣瀬資料館理事長)」さんのお二人からご挨拶をいただきました。下記写真は、廣瀬和貞理事長のごあいさつの様子です。

まず最初のお話は、国文学研究資料館の「渡部泰明」館長さんでした。渡部館長さんは、「なぜ古典を学ぶのか」という題目について歌人「西行」の和歌を取り上げ、解りやすくご説明してくださいました。下記写真は、参加者に「古典派、情理を兼ねた、成長のための言葉」と熱く語る渡部館長さんです。

下記写真は、渡部館長さんの話に熱心に耳を傾ける参加者のみなさんです。会終了後に、「西行の和歌の話に感銘を受けた」とか、「とてもすばらしい話を聞けた」など、多くの感想や感謝の言葉をいただきました。
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続いてのお話は、日田市文化財保護員「竹尾浩享」さんの「五馬紀行」文の解説でした。「五馬紀行」は、廣瀬淡窓の叔父にあたる廣瀬家第4代当主「平八」(号を月化)が綴った紀行文です(日記)。五馬(現日田市天瀬町五馬市)という地を訪れる道中や現地での様子が記されています。竹尾さんは、原文を現代風に書き直し、丁寧に解説してくださいました。下記写真は、竹尾さんの郷土「五馬」について、熱く語る竹尾さんです。

下記写真は、発表者と参加者が一体となった場面です。竹尾さんのお話は、参加者にその場、その場の情景をイメ-ジさせ、とても分かりやすかったです。文中に、若い頃の淡窓が出てきたり、参加者にとって、五馬という身近な場所や地名が出てきたことも影響していたようです。

下記写真は、発表後、熱く語り合う参加者の皆さん。今年のセミナ-は、今までの中で一番話し合いが活発でした。

下記写真は、参加者間で意見の深まりや拡がりが図られ、新たな考えが構築されていった場面です。とても素晴らし一コマでした。

今回のセミナ-は、文化財の活用ということで、江戸後期(1850年代)の本宅主屋の建物を使って行いました。当時の人々が実際に使っていた奥座敷・中座敷で行なわれたことやお二人の発表の中に、当家に深く関わりのある人物が登場するなど、参加者の気持ちは最高に盛り上がりました。このことから、文化財を活用して行うセミナ-や体験活動は、とても盛り上がり効果があると確信しました。今回、九州の辺地迄はるばるおいで下さりった、渡部館長様。多忙な中、寸暇を惜しんで準備に奔走してくださった竹尾さん。ご両人には深く感謝申し上げます。そして、日田市内だけでなく、全国各地より参加くださった皆様方に心よりお礼申し上げます。本当に有難うございました。来年もまた継続します。引き続き、ご支援・御協力をお願いいたします。
両替の体験に来館者も 大満足!!
暑い日が続きます。そんな中でも、豆田町の廣瀬資料館は熱いですよ。本館で今、来館者の方に一番気に入っていただき、満足して帰ってもらっているのが、掛屋の「両替体験」です。掛屋商人であった廣瀬家は、大名等にお金を貸すなど金融業を生業としました。その中で、両替商も同時に行いました。主屋の一角に当時の両替時の天秤や豆銀・板銀・文銭を展示しています。只今、資料館が熱く盛り上がっているのは、この両替の展示コ-ナ-です。ここでの、両替の説明や実体験がとても「珍しい」とか、「面白い」とかで人気を集めています。7月13日の様子についてご紹介します。長崎からのお客様でした。
場所は、資料館一角の「両替商コ-ナ-」。 ここで、掛屋商人の仕事内容や両替の仕組みをご説明しております。

実際に、当時の「秤」や「豆銀・板銀」を使いながら「両替の仕組みをご説明します。皆さん、東日本と西日本とで大きな違いがあったことに驚きます。

両替を希望する当時のお客さんが、入ってくる「大戸」の説明です。

いよいよ「大戸」を開けます。来館者に手伝っていただきます。お客さんは、興味津々です。

来館者の手を借り「大戸」が上がりました。扉が全開しました。中から玄関が見えると来館者は大感激です。

ちょっとした寸劇が始まります。両替役を希望する来館者と、番頭役の来館者の掛け合いに、笑いが起こり、皆さんの気持ちも最高潮になります。

両替の全てが終わったら、皆さんは、引き戸から帰っていただきます。帰りは、「楽しかった!」「勉強になった!」と、どなたも大満足で帰っていきます。

7月より、両替の体験コ-ナ-を設けました。まだ一カ月たちませんがとても好評です。皆さんもぜひ、楽しくて、思い出に残る「両替体験」をしてみませんか。お待ちしています。8月からは、1号館で、「咸宜園入学体験」も行うよう計画しています。このことについては、実際の様子を後日紹介いたします。
「日本遺産 日田天領お雛様祭り」が終わりました。期間中のご来館誠に有り難うございました。 2月15日から3月31日まで開催されていたお雛様祭りが終了しました。今年度も、当資料館がある豆田町にも多くの観光客が訪れ、とても賑わいました。当館も「廣瀬8賢人と時代雛」というテ-マのもと展示に工夫をこらし雛祭りに参加しました。「雛人形の歴史」を展示して、雛人形の流れを古代から現代までお知らせしました。「とても分かりやすい!」と好評でした。この他にも、廣瀬家最古の「元禄雛」、大型人形禁止令が出される以前の大型人形の「享保雛」、面屋正次郎作のユニークな「御所人形」などは、来館者の足がいつまでも止まっていました。多くの方が、満足して館を後にしてくださいました。期間中、ご来館くださった方々に心より感謝申し上げます。来年も心を込めて展示し、皆様方をお迎えします。 まつり期間中の館内の様子をご紹介します。
先ずは、満開に咲いて来館者の皆様をお迎えした「椿」と「モクレン」の花をご紹介します。館内の敷地には、4つの庭があります。どの箇所にも江戸期からの古木があり、歴史を感じさせます。今回ご紹介する花は、1号館前に咲き、最初に来館者をお迎えする「椿の花」です。「まあ-、きれい!」と、清々しい気持ちで見学をスタートしてくださいました。本宅庭園に咲く真っ白な「モクレン」の花は、青空に映え、写真のスポットとなりました。残念なことに、「モクレン」の開花時は3月中旬のわずか1週間です。この期間中に、来館された方はラッキ-でした。

「いらっしゃいませ!」とお迎えした「椿の花」

左「梅の古木」と「満開に咲いたモクレン」

青空に映える真っ白な「モクレン」

掛屋廣瀬家の「商売の業績」を熱心に見てくださいました

大型人形「享保雛」には、誰もが足を止めていました

学芸員の説明に満足していただきました

一番人気のあった面屋正次郎作「御所人形」
一大行事の「お雛様まつり」が終了しました。5月から、掛屋久兵衛の「公共事業」の業績の遺品・遺作を特別に展示します。商人でありながら、淡窓の「感謝の心」を心に刻む久兵衛は、地域のため多くの事業に取り組みます。以前より、この頃の久兵衛活躍についてお知らせしたかったのですが、今回実現の運びとなりました。展示に最大限の工夫をして、皆様をお迎えします。ぜひ、ご来館くださいますようお願いします。